ラーメンマンとブロッケンJr.~恩讐の彼方に~ 読み切り 感想

「キン肉マン」最新スピンオフ作品はラーメンマンとブロッケンJr.の読み切りである「ラーメンマンとブロッケンJr.~恩讐の彼方に~」を読んでみての感想(あらすじネタバレ含む)です
先日発売されたジャンプコミックス「キン肉マン 読切傑作選」の中で新たに書き下ろされた最新作読み切りの「ラーメンマンとブロッケンJr.~恩讐の彼方に~」を購入してみた
ラーメンマンとブロッケンJr.の間に師弟関係ににたものが芽生えるまでの愛憎劇である
後付け設定・展開だらけの内容だが、ラーメンマンの底知れぬ凄みとブロッケンJr.の成長などが垣間見えるストーリーとなっている
1981年・・・世界は核の炎に包まれた・・・
・・・な~んてことはなく1981年の超人オリンピック、ザ・ビッグファイトでのラーメンマンVSブロッケンJr.の決着がついたところからこのストーリーは始まります
なんか1900年代後半の話となるとどうしてもこの切り出し方したくなっちゃうのよ
37歳アラフォーオヤジかつ北斗の拳も大好きオヤジだとこれはもう仕方ないことなんだ
わかってくれ
それにしても今改めて思うのはロメロスペシャルで泡吹いてKOってすごいな
プロレスじゃ完全に「魅せる為だけの技」であり決してフィニッシュを取る技じゃないんだけどねこれ
まぁ48の殺人技の1つの「風林火山」も〆はロメロスペシャルだけどね
プロレスでロメロスペシャルでギブアップするとかそんなシーン見たことないぞ
メキシコのプロレスならあるかもしれないけど
そもそもキャメルクラッチすらプロレスでギブアップすることなんてほとんどないだろうし・・・
そんな「プロレスだったら大ブーイング物」な結末となったラーメンマンとブロッケンJr.
ラーメンマンの名言の1つでもある「オヤジのことは忘れろ。そうすればお前は強くなる」がまたも繰り出されます
そして心の中でラーメンマンは「この若者、父親に比肩し得る・・・いや、それ以上の素質が」と感じます
たまりません
ラーメンマンVSマーベラス戦でブロッケンマンのことを「最大の難敵だった」と評して正攻法では敵わず残虐殺法で勝つしかなかったといきなり衝撃のカミングアウトしたり、
今回も「父親に比肩し得る」とさも父親が偉大みたいな表現したり、
ブロッケンマンという超人がどんどんどんどん後付設定で偉大なレジェンドとして描かれていきます
ただ不意打ちして凶器攻撃して毒ガス攻撃かましてただけの超人なのに・・・
ここでラーメンマンも試合でプロレスのごとく相手(ブロッケンJr.)の技をことごとく全て受けてあげた上で倒すという闘いを演じた代償で全身流血ダメージの為ダウンしちまいます
「超人KO病院」に運ばれてしかもめっちゃデリケートな関係なのに同室に入院するハメになった両者
VIPクラスの最高級個室に停まれるくらいの金も権威もあるでしょうに
この「KO病院」・・・おそらく信濃町の駅前あたりにあるんでしょうね・・・
たまりません
しかしここの院長はかなりの悪徳医師のようで、大病院の院長なのにアデランスの中野さん以上にあからさまにヅラだとわかる安物のヅラを被ってるくせに、1981年当時実用化されたばかりで、患者の了解を得なければ使用禁止だったMRI検査の実験モルモットとしてラーメンマンを利用しようとします
理屈としてはブロッケンJr.との闘いでコンクリートですマッチにも関わらずパイルドライバーやら垂直落下式ボディスラムやら脳天ジャンピングニーなど頭部への大ダメージを受けていて、超人の生命力の秘密に攻めれると息巻いている
その脇を助手らしき若手のイケメンと美女医師が精子静止をしますが、「ええい、黙れ!」と聞く耳持たず頑固頭の利権と名誉欲一直線のどこぞの悪徳政治家や悪徳官僚のような院長
さらによ~く見るとひばりヶ丘の与作さんらしき人物までいる
実際、アニメ版の7人の悪魔超人編の医師役は原作のあのロボットみたいな頭頂部波平状態の髪をしたあのドクターではなく与作さんが医師も兼ねていました
「KO病院」という表現もアニメ版での描写でしたね(そこのドクターが与作さんでした)
そして原作本編にも銀閣に与作さんを教師として登場させたり、「オラ、見てはいけねぇものを見てしまっただ」というアニメ版でしか出なかったセリフを出したり・・・
アデランスの中野さんと公子も再登場したり
「アナことアナウンサー」こと吉貝アナも本編にちょっと太って髪型も変わって登場したり・・・
「まりしゃん」という表現をキン肉マンが口にし始めたり・・・
ゆでたまご先生はジャンプ連載時代はアニメ版はほとんど見なかった(厳密には「見てるヒマがなかった」)そうですが、近年はアニメ版もしっかり見ているのは明らかですね
この分だと五分刈りのダンナやキン骨オババも再登場か?
でもそれ以前にキン骨マンとイワオがまだ本編で出てきてないのが気になる
あとはナチグロンあたりも今年発売されたパチンコではかなり重要な予告キャラだったし登場するかも?
でも、コニタだけは勘弁なッ!
んで、気になるMRI検査だが、なんとラーメンマンには脳みそがなかった!
頭蓋骨の中になにもないのである!!
文字通り「頭からっぽ」状態なのである!!!
だったらなぜ次の戦いでウォーズマンに脳天エグられた時はあんなに苦しんでそして植物人間になったのか
しかもあんなに物理学に精通して頭脳明晰な上に中国4000年の歴史(黄河文明)と全く接点のないピラミッドパワー(エジプト文明)についてまで知っている博識ぶりの人物が「からっぽのオツム」だったなんて!
そんな・・・!
そんなのいやだ!!
ラーメンマンがただのアホ超人だったなんて!!!
そしてついにMRI機器は大爆発
まだ日本に一台しかない代物だったとのことでヅラの悪代官面した悪徳院長は嘆き悲しみます
しかしそんな大爆発に頭部が思い切り巻き込まれたらその空っぽのオツムごとラーメンマンの首から上は吹っ飛んでてもおかしくないはずなのに全くの無傷
それはそれでどうかと思うんだけどね・・・
そしてラーメンマンは「西洋医学とやらでは、この私の体は治療できん!」と最高にカッコいいセリフを残して検査室を去っていきます
その姿を見た若手の美男美女医師2人は「ちょ・・・超人の生命力というものは、最新の医療機器をもってしても計り知れぬということか・・・」と驚愕します
う~ん・・・ちょっとこの若手の女医さんはこのオレ様の好みかもしれねぇな・・・
これはなかなか・・・
しかもオレは変態だし・・・
明日あたり信濃町行ってみようかな・・・
とにかくラーメンマンの言葉を借りれば「西洋医学とやらではオレの脳みそは発見できん!」ということでよろしいのでしょう
いくらなんでも1000万もの技を編み出して習得したほどの人物が頭からっぽなわけがありません
「頭からっぽのほうが夢詰め込める」とか言ってる場合じゃあないんです
恐竜に玉乗り仕込んじゃうか?
ラーメンマンとブロッケンの部屋はなんとICU(集中治療室)だったことが判明!
まーラーメンマンはICUでもわかるけどブロッケンなんてロメロくらって泡吹いただけでほとんど技もそれほどくらってないだろうに・・・
アニメ版ではかなりやられてたし決め技もロメロスペシャルじゃなく「秘儀・万里の長城」というなんだかわけのわからない技でしたがここは原作準拠ということで・・・
そもそもICUってもっと緊急状態の患者が入る所だと思ったけどテレビもあれば相部屋入院もあるのね
そんなICUの中で原作でもあった1万回の腕立てをしているラーメンマン
ベッドの位置が原作と逆だな
原作では既にこの時点で和解して「ラーメンマン、無理よその体じゃ」的に心配しているブロッケンでしたが、この読み切りではまだわだかまりが大いに残っているようで「ラーメンマンてめぇ・・・」とイキりたち、自分の試合では父親惨殺の贖罪からかわざと技を全て受けてヤられっぱなしになった上に、今度はそんな傷だらけのボロボロの肉体でウォーズマンと闘う準備をするとはどこまでオレをコケにするんだとキレます
ラーメンマンは「私は今までどんな闘いであろうと全身全霊で闘ってきた。お前やお前の親父・ブロッケンマンとの試合も、私は万全な準備をしてリングに立ちそうして勝ちをおさめてきた。むろん、一週間後のウォーズマン戦も同じ。万全の準備をして臨む」と1万回もの腕立て伏せをしながら静かな笑みをキープしつつ答える
ブロッケンはその静かな笑みに戸惑います
体はボロボロで重症な上に「あの、ソ連の不気味なロボ超人との対決が待っている」状態なのに静かに笑っていられる余裕
血に飢えた残虐超人ならではの笑みなのか・・・
それとも他に何か別の意味があるのか・・・
まだ18才で思春期のブロッケンはあれこれ考えちゃいます
その夜、ラーメンは部屋を抜け出します
ブロッケンもそれに気づいて後を追います
ラーメンマンは箱根付近の山中までやってきました
慶応KO病院が信濃町というのはオレの思い込みだけど、試合会場が東京競馬場だったんだし、KO病院も都内の病院と考えるのが自然
都内から夜中に箱根まで傷ついてボロボロの体でどうやって移動したのか・・・
まるで王位編のマリポーサチームとの闘いでのロビンマスクとテリーマンがわずか数十分程度でイギリスやアメリカから日本に到着したことを思わせるほどの移動速度ですが、そこはもう突っ込むだけ無駄ですかね
とにかくラーメンマンは箱根八里の半次郎状態です
箱根の山々を眺めると故郷・中国の山に似ているとのことで、体に力が漲って来るという絶対に都会では暮らせない男・ラーメンマン
ジャングルの王者・ターちゃんみたいなもんだね
箱根の山中でトレーニングを開始するラーメンマン
後からこっそり尾行して木の陰から覗いているブロッケンはその凄まじい動きと、早くも両腕のケガが治っている驚異的回復力に驚愕します
「西洋医学とやらでは私の体は治療できん!」というのもつまりこーゆーことなんでしょうね
自然(生薬)と一体となり、人間が本来持っている自然治癒力を重視した東洋(中国)の漢方・気功医療にも通じる療法がラーメンマンには合ってるってことなんでしょう
するとラーメンは足元にある妙な臭気を発しているマドハンドみてーなちっぽけな枯れ木に気が付く
その枯れ木を全くためらいもなく引っこ抜くラーメン
その枯れ木から発せられるガスが体の奥深くまでしみこみ、ブロッケンJr.戦で枯渇した超人パワーを復活させてれるようだとつぶやくラーメンマンが元のみずみずしい肉体に戻っていきます
不老不死の可能性さえ秘めると言われ、さらにドーピング効果まであるとされる中国生薬の長・冬虫夏草もビックリの超回復力!
そして木の陰からブロッケンがのぞき見していることを悟り指摘するラーメンマン
西洋医学ではありえないその「超常現象」にナチスの血が騒いだのかどうかはともかく飛び出すブロッケン
「ナチスの科学力は世界一ィィィ~」という表現もある通り、ナチスも実用化には至らなかったものの、超常現象的な発明を多々行っていましたからね
ナチスの科学者の中にはドクターゲロみたいなのがいたんでしょうね
ブロッケンは「ケッ!見えたぜお前の正体。やはり骨の髄から血に飢えた悪魔だということだ!おめえがそうして特訓をしているのは闘いに備えた超人レスラーとしての崇高な理念なんかじゃねぇ!“史上最悪の残虐超人”としての血が騒いで仕方ないからだ!誰も見たことがないロボ超人の血を舐めてみたい、そんな邪悪な念に駆られているだけだ!」と血気盛んで視野狭窄な18才の少年はラーメンマンを徹底的にコキ下ろします
そもそもあの「超回復」を見てなぜそんな結論に至ったのかブロッケン・ジュニア君(18)の思考回路は本当に理解に苦しみます
さらに若気の至りは続きます
「傷が癒えたんならもう一勝負といこうじゃねぇか」と10代の少年とは思えないオッサンくさいセリフでとびかかるブロッケン
アニメ版の声も与作さんと同じ声でとても10代とは思えない声でしたが・・・
「1回ぼっちオレを倒したくらいで他のヤツの血を舐められちゃ困るんだ」と絶叫しながら、かわされるか防がれる感がハンパないニールキックをラーメンマンの背後から放つブロ君
ラーメンマンは余裕でそのニールキックをブロック
そしてブロッケンのパンチやキックのラッシュも軽々とさばきます
「フフッ、甘い甘い。まだオヤジのことが忘れられないようだな」と指摘するラーメンマン
「私への恨みだけで闘っている限り、おまえの攻撃は全て見切れる。それはあくまでラーメンマン戦用の小手先だけの対策技でしかないからだ」と続けざまに指摘
「ぬかせー」とまたも10代とは思えないセリフでやけっぱちのハイキックを狙うブロッケン
しかしあっさりかわされて逆にラーメンマンの強烈なローキックで片膝をつくブロ君
するとラーメンマンはさすがに1000万の技を持つ男です
1981年という武藤敬司がまだ新日本プロレスに入門する前の時代で、本人はまだ接骨医療専門学校に通ってる頃の話なのに、本家より20年近く早くシャイニング・ウィザードをブロ君にぶちかましちまいます!!
さすがにラーメンマンなら「シャイニング・ウィザード」とも「閃光魔術」とも名づけないでしょう
「敵膝昇龍膝」的なゴツゴツしたネーミングの技名になるかと存じます
それにしても実際のシャイニング・ウィザードは今じゃ膝ではなく太ももの柔らかい部分を側頭部に当てる瞬間に力を抜いてほぼノーダメージの状態で当てる技になりましたが、初披露の時はモロに膝を顔面にブチ込むような形で、プロレスとは言え受けた村上一成は相当なダメージだったでしょうし本当にこれは同情します
村上は1999年の1.4小川VS橋下の時もリング下のガチ暴行で命を落としかけたりホント体を張ってますね・・・
敵膝昇龍膝でブロ君(18)をのけぞらせた後は背後に回ってスリーパーで締め上げるラーメンマン(29)
「昨日の試合、なぜ私への最後の技がキャメルクラッチだったのか?」と問うラーメン
「決まってんだろ・・・復讐の為だぁ~!」とウォッチマン戦で同じようにスリーパーから脱出したように、ブロッケンの顔面潰しパンチがラーメンマン襲う
しかしラーメンマンはウォッチマンのようなイロモノのザコじゃない
そのパンチもあっさりかわしちまいます
さらにその腕を取ったラーメンマンはブロッケンをリバース一本背負いで投げつけます
ブロッケンはうつぶせに叩きつけられダウン
「おまえはオヤジの敵を討つことに心を奪われ過ぎている!ブロッケンマンはおまえにもっと大きな、大事な事を伝えているはずだ!」と指摘するラーメンマン
ここでブロッケンの脳裏には父・ブロッケンマンから受けたベルリンの赤い雨の指導時の思い出が浮かび、そして父の「腕を弓の如く引き・・・流れ星の如くにふり降ろす」という言葉もリメンバーされます
しかしラーメンマン相手にうつぶせに倒れることすなわち、死を意味する事
そのガラ空きの背中は「キャメルクラッチで体を真っ二つにしてくれ」と言わんばかりのものです
当然ラーメンマンはバク宙しながらブロ君の背中に馬乗りになります
「私が感じたお前の強さは見誤りであったかーっ!?」と叫びブロッケンの顎をクラッチして背後にのけぞらせるように弓なりにして引くラーメンマン
昔懐かし「グワァキィ」という擬音そのままにキャメルクラッチの体勢に入りました!
ギッチンギッチンと締めあげられ「ウォアア~!」とその苦痛に絶叫するブロッケン
ギッチンギッチンとギチギチに締まって締め付けるなんてたまりません
しかしブロちゃん(18)はそのままあっさり昇天しません
「森の木の葉の如くに~」とかぶつくさつぶやき始めて頭おかしくなったのでも頭からっぽになったわけでもなく、空いている両足をまるでヨガの達人みたいな驚異的柔軟力で反らせてラーメンマンの両脇にもぐりこませます
そして、そのまま両腕で倒立し、ラーメンの両脇に潜り込ませた両足の力も加えてなんと脱糞する以外に絶対に脱出不可能な殺人技・キャメルクラッチから脱出しちまいました!
さらに「体軽やかにーっ!」と叫びながらそのまま両腕でブレイクスピンして両足に挟んでいたラーメンマンに遠心力を加えて投げ飛ばします
「森の木の葉の如くに体軽やかに」というのも父・ブロッケンマンの教えなんでしょうか
ただ父がキャメルクラッチでブッ殺されてからは教わってないですから、元々別用途で教わってたものかな
そしてブロッケンは自らが足で投げ飛ばしたラーメンマンに迎撃を加えます
「腕を弓の如く引き・・・流れ星の如くにふり降ろす!その壮拳をもって風擦れば!ベルリンに赤い雨が降るーっ!」とゴチャゴチャ呪文をわめきながら、空気との摩擦熱なのか右手が明らかに発熱して熱を帯び始めます
ラーメンマンもそれに気づき括目!
ブロッケンは一気に振り下ろしますがラーメンマンは間一髪かわしその背後にあった木を真っ二つに伐採
ブロッケンJr.にとって記念すべきベルリンの赤い雨初成功の場面と考えるのが無難でしょう
ラーメンマンにはかわされたものの、木の幹を真っ二つに斬りおとした興奮でブロッケンが言葉を失っているのが何よりの証拠
既に習得していたのであればここまで興奮するわけがありません
どうやらブロッケンJr.にベルリンの赤い雨を習得させたのは最終的にはラーメンマンだったようですね
めっちゃ後付っぽい展開ですが(笑)
ラーメンマンは「それだ!私の目にくるいはなかった。よくぞ邪念を捨て去り、オヤジの神髄を思い出したな」と語り掛けます
「あれから丁度1年、あの世(超人墓場)でおまえのオヤジ、ブロッケンマンも喜んでいるだろう」とラーメンが語ると、ブロッケンも「あれから1年?」と問い返す
「フフ、私への復讐心に囚われすぎてなによりも大切な日を忘れたか?そう・・・今日という日はかつての私の好敵手・・・そしておまえのオヤジ、ブロッケンマンの命日・・・一周忌ではないか」と語り掛けます
ブロ君(18)もこれでようやく「オヤジの!」と気づく
そしてラーメンマンはそこに不自然かつ都合良く転がっているいかにも墓石っぽい長方立体型の石を墓に見立てて立てます
「私がこの山へ赴いたのはもちろんおまえとの闘いで負った傷を治癒するためもある、しかしそれともうひとつ・・・」と語り始めるラーメンマン
そこで血気盛んなブロ君(18)が「オヤジの供養だ!そのためにあんたはこの山に!」と右拳を握りしめながら絶叫します
「ああ・・・ブロッケンマンと語らうためにここに来た」と答えるラーメンマン
「来たるソ連の強豪超人との闘い・・・あるいはこの私もブロッケンマンと同じ運命をたどるやもしれぬ。それが超人レスラーとしての宿命。だからこそ闘いの前にこの供養はどうしても済ませておきたかった」と真意を明かします
「ブロッケンマンと再び会えると思うと妙に嬉しくてな。今日は笑みを禁じ得なかった」とブロッケンがずっと気にしていたラーメンマンの“静かな笑み”の真意もこれではっきりしました
血気盛んかつ喜怒哀楽も激しい18才のブロッケン少年はここで涙を流してメソメソ泣き始めやがります
そんな泣き虫のガキはシカトした29歳オトナのラーメンマンは先ほどの「超回復」の源となった枯れ木を持ち出しその“墓石”の前に立て、そこらに都合良く転がっていた石をカチカチと打って発火させます
火口なしでも発火させられるのは中国4000年の味ですかね
ブロは「何をする!それはあんたの体の傷を治してくれる奇跡の古木ではないかーっ!」と絶叫します
ラメーンは「私がおまえとの闘いで傷を負ったのは運命なのだ。そしてこの傷は何にも代えがたい勲章なのだ。かつてブロッケンマンとの闘いで負った傷と同じくな」と「傷のない男は男じゃない」的ないかにも80年代テイストな発言をします
たまりません
さらに「日本ではこのような供養の義があるという。故人を偲び、線香というものに火をつける。ときに一陣の風が吹き、線香の火がポッと赤くなり煙が立つ」とまでラメーンが語ると、都合良く本当に一陣の風がふいて古木の先端のさきっぽが赤く発火し煙を出します
まるでさきっぽからアレが出たみてーな描写です
下品です
もう下ネタなんて二度と使いません
ラーメンマンが湿っぽいお彼岸や法事チックな話をつらつらと続けていると古木からさらにモアモアとネバーモアな煙が立ち込め始め、なんとその煙の中にブロッケンマンの霊らしき人物が目視で確認できるようになります!
これ一体どういうトリックなの?
これも中国4000年の秘術?
つか霊界ポケット使った方が早いし確実なんじゃないの??
とりあえずラーメンマンは「火が立ち消えるまで親子水入らずで語らうがよい」とブロに声をかけます
煙の中に浮かんでいるブロッケンマンは何も喋る様子もありません
カメハメの霊や正義超人の霊は散々出てきてはキン肉マンやテリーマンに話しかけたのに・・・
そもそもキンターマンやスフィンクスマンは簡単に生き返ってるのになぜあなたはなかなか生き返らないの?
ベタベタな展開ではあるけどここでブロッケンマンの霊に何かしゃべらせた方が良かったんじゃないかなぁ
とりあえずブロッケンJr.は父・ブロッケンマンに心の中で語り掛けます
なぜって「親子水入らずで語り合えよ」とか言うくせにラメーンの野郎はその場に座り続けやがって、ここで口に出して何か話せば全部聞こえちゃうから恥ずかしいからです
心の中でブロッケンはこうつぶやきます
「聞こえるかオヤジ・・・オレはあんたとこの目の前の男との闘いのことを少々誤解していたかのかもしれねえな・・・」とね
そして最後は民明書房チックな説明文が入ります
「ラーメンマンが日本のとある山でみつけたこの古木こそ、中国・終点山にしか生息しないといわれる、あらゆる難病・大怪我を治療する奇跡の樹・・・“霊命木”のたった一本生き残った亜種であった。しかしこの時二人はそのことを知る由もなかった」(原文ママ)
この読み切りはここで終わりです
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いまいち盛り上がりに欠ける内容だったと言うか・・・
最後の最後で後にラメーンが深くかかわることになる霊命木に結び付けましたね
確かにあのガスはそれっぽかったけど日本にあるわけねーだろとラーメンマン独特の感覚で自然からエナジーを受け取ってるだけかと思って読み進めちまってましたよ
ラーメンマンの超回復は原作では「超人だから」ということだけで片付けられましたが、裏では箱根の山奥でのこんなできごとがきっかけだったんですねぇ
とりあえずブロッケンがベル赤を自分のものにできたのもラーメンマンのおかげという設定になりました
まーラーメンマンはえらくホメてるけどこのベル赤が敵を倒すまでにはこの後9年後のVSクラッシュマン戦まで待たなきゃいけないし、ザ・ニンジャ戦では単なる操り糸を切るだけの繋ぎ技にしかすぎなかったし、プリズマン戦では「ただのチョップ」とコケにされるレベルだし、超人タッグ編では出すまでもなく腹をブチ抜かれて、後ろで一緒に貫かれたウルフマンが最初生きてたのに後でなぜか死ぬという散々な目にあってきたフェイバリットになっちまうんですけどね・・・
このストーリーはブロッケンが18才当時のものですが、今、本編でもコイツはザ・ニンジャに自分の考えを押し付けようとする姿勢が目立ちますが、27歳になってもブロッケンはすぐに熱くなって叫び喚きながら自分の考えを押し付けようとする「暑苦しくてめんどくさい奴」なのはこの作品の中でも一貫して変わらないなぁと
もう性格なんでしょうねこれは
たまります
これ以上特にこの読切に関して語ることもありませんが、表紙カバーの最初の挨拶の欄でゆでたまご先生の「連載の合間を縫って1年に何回かキン肉マンのスピンオフを描くことを目標にしている」とのお言葉が木に成りました
さらに具体的にバッファローマン・ウルフマン・カレクック・カニベースの名前が出て、これらのスピンオフを描きたいというお気持ちが終わりのようでこっちのほうが寧ろテンション上がってしまいました(笑)
とりあえずバッファローマンは本編にもさんざん登場してるし、カレクックはいまいち話が膨らまないというかベンキマンっぽい展開になりそうだし、個人的にはやはりめっきり登場が減っているウルフマンと、爆笑展開は間違いなしのカニベースの読み切りをぜひ先に描いてほしいとは思うんですよね
カニベースに関しては、あんなザコがどうやってイタリア代表になれたのかとか掘り下げて頂けるとボクはもう大変感動して泣かせて頂きますよ(笑)
そしてやっぱり・・・イワオ・フランス代表のルピーン・アフリカ代表のキンターマンという3大ネタキャラの読み切りも是が非でも読みたい思いです
バッファローマンやカレクックも良いですがこいつら3匹もよろしくお願いします先生^^
三匹が斬るってことで
なんでいきなりと思われるかもしれませんが、今日からサンテレビで「三匹が斬る」再放送がスタートしたんでなんとなく「三匹が斬る」って言いたくなっただけみたいなね(笑)
このジャンプコミックスの「読切傑作選」は2011年~2014年までの間の読み切りが収録されています
この「~恩讐の彼方に~」以外にも↓の合計5種類6編の作品が楽しめます
キン肉マン 読み切り「奇跡の救世主伝説
ベンキマン 読み切り 「~失われたインカの記憶~
アシュラマン 読み切り 「超人血盟軍、結成秘話
キン肉マンとテリーマンの読み切り 「ザ・マシンガンズ空白の三日間」
全て読んだ中では「ザ・マシンガンズ空白の三日間」がこの中の読み切り作品では最高傑作でした
前編と後編に分かれていますがかなり良いストーリーで最後まで飽きずに楽しめました
感動しました
と、いうわけでラーメンマンとブロッケンJr.の読み切り「ラーメンマンとブロッケンJr.~恩讐の彼方に~」のストーリー感想(あらすじネタバレ含む)は以上です
年内にあと1本は読み切りあるかもしれませんね

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