キン肉マン 週プレ最新作 第360話 「火事場のいなり寿司!!」の巻 感想(ストーリーあらすじネタバレ含む)レビュー
「火事場のいなり寿司」ってサブタイトルの時点でジェロニモの好物がいなり寿司って設定をねじ込んできたことがいきなりネタバレ状態(笑)
これ誰がわかる奴いるんだよ(笑)
キン肉マン世代でもわかる奴なんてごく一部だろ?
キャラソンなんていちいちすべて聴いてる「マニア」級のファンの方が稀だろうし。
「キャラクターソング大全集」的なカセットテープ(まだCDすらない時代)を買ってもらった奴じゃない限り...。
しかしゆでたまご先生(というか嶋田先生)って相当原作・アニメ版等ジャンプ連載当時のコンテンツに目を通しているなとわかる。
まして35年以上前に東映のスタッフが“クロスセル”狙いで作った大して有名でもない各キャラのキャラソンまでしっかりチェックしなおすほどマメな原作者が他にいるだろうか?
桃白白の存在を忘れてるような鳥山明先生なら絶対こんなことしねーだろうし(笑)
自分の作品を愛してしっかり読み返すことができることは素晴らしいと思う。
これもゆでたまご先生が分業制だからこそできることなんだろうけど。
1人で原案も作画もアレもヤッてたらそんなとこまでとても手も頭も回らないだろうし。
とにかくジェロニモはエクスキューソナー・シックルバスターをくらってしまった。
シックルシックル
シッコクシッコク
鋭利な巨大刃の部分が背中に当たってるわけだから当然背中はパックリ開いて大出血。
そしてジェロニモの小さな身体を軽々両腕でリフトアップするエクスキューソナー。
腕だけでエアプレンスピン状態で回転させそのまま上昇してバベルの塔1Fの天井に叩きつける。
叩き付けた衝撃で天井が崩れ石片が次々と崩れ落ちてリングに倒れたジェロニモを埋め尽くしてしまう。
それを見たキン肉マンは大粒の涙を浮かべて「ジェロニモ~ッせっかくうまいいなり寿司をたらふく食わせてやろうと思ったのに」と絶叫する。
ここ出てきたかいなり寿司。
だからキャラソンなんて誰が知ってんだよ!
しかもあれかなりテキトー感満載のキャラソンだったし。
担当声優の塩沢兼人がやっつけ感満載で「ウリャリャリャリャリャ」とか言ってたし(笑)
そもそもなんで生粋のアメリカインディアンがいなり寿司が好物なんだ?
生粋のアメリカインディアンがなぜか九州弁だったのもめちゃくちゃだし。
当時のスタッフか誰かに九州出身者がいてそこから取ったとか言ってたかな。
寧ろ大阪出身のゆで卵先生なのに関西弁で喋るキャラが原作にはいないのよね。
アニメ版では委員長を筆頭にどいつもこいつも「なんもそんな青筋たてんでもええやねんの」とか言ってたけど。
しかもあれもたまに最後に「ばってん」で締めることもあってどこまでも九州弁がつきまとう(笑)
とにかくそのキャラソンではジェロニモはいなり寿司を1000個も食うとか言ってた。
あのキャラソンは皆最後に好物を挙げてどんだけ食うかを誇示するオチだったが。
ペンタゴンなんてハンバーガー1000個も食うとか言ってたな。
業者か!
そしてわざわざ宮内タカユキまで引っ張り出して歌わせたビッグ・ザ・武道のキャラソンラストが頭にこびりついて離れない。
北川米彦の声で「お寿司100人分をいただこう・・・グワーハッハッハッ!!」
そんなキャラソンあれこれはともかく天井から崩れた岩の生き埋め状態のジェロニモ。
エクスキューソナーは「その小さな体でどこまで耐えられるか試すつもりだったが反応すらナシとはがっかりだ。これで終わりなのだとしたら超人などこの世からいなくなればいい」とまで言い放つ。
かつてのスーパーマンロードの神さんとは別人のようなお言葉。
何がコイツをここまで変えた?
あんな慈悲に溢れてた神だったのに。
幼いジェロニモ兄妹を体を張って守ってたのによ。
だがジェロニモは「まだオラは十分闘える」と岩を持ち上げて復活。
なんだかサンシャイン戦みたいなゾンビ並みのタフさが復活してきたな。
「キン肉マンの言ういなり寿司を食わないことには倒れるわけにはいかないズラ」と口にするジェロ。
牛丼一辺倒のキン肉マンが美味いいなり寿司屋なんて知ってんのか?
ロビンの「タマゴとみそ汁もつけてな」の時もそうだけどなんで食い物で釣るんだ(笑)
犬や猫じゃあるまいし(笑)
そして持ち上げた大岩をエクスキューソナーに投げつけるジェロニモ。
エクスキューソナーはムッハムッハ言いながら「ほう、しっかり耐えきったか。それでこそ勇者を自称するもの。それっくらいはヤッてもらわねば」と上から目線のお言葉。
ジェロニモもさすがにイラついてきたのか「気に入らねぇズラ。さっきから口を開けばずっとオラを上から品定めするようなその態度。オラはアンタを倒しにきただけの刺客ズラ」と突進するジェロニモ。
エクスキューソナーはカウンターで迎撃のビッグブーツ。
こんだけ足がデカいと何文キックになるんだろ?
「30文キック」くらいか?
ジェロニモはそれを機敏にかいくぐって延髄切りを叩き込む。
エクスキューソナーはこれは効いたらしく「ムッハー」とか言って膝をつく。
普通「ムッハー」ってテンション上がった時に挙げる奇声だよね(笑)
さらにジェロニモは膝をついたことで殴りやすい高さになったエクスキューソナーの横っ面をタコ殴りにする。
吉貝アナと思われる実況が「ジェロニモがイッたー!」と連呼。
「テリーがイッたー」のオマージュらしくジェロニモはテリーの代りに闘ってるつもりなんだとキン肉マンが開設する。
そもそもこの「テリーがイッたー!」の元ネタもキン肉マン世代の大半は知らないんじゃないのかな?
オレもギリギリ生まれてたけど当然赤子だったから何のことか最初は全然わからなかったし。
1970年代生まれだとまずリアルタイムでは見てないだろう。
でもプロレスって観客の感情移入を引き起こして溜めて溜めてガーッと反撃するとものすごく盛り上がるのね。
あのシーンってまさにそれが集約したもんだと思う。
ブッチャーとかに腕をブッ刺されてめっちゃ血が出て観客もテリー感情移入してドリー1人取り残されてボコボコにされもうダメかと思わされた中で満を持して復活してのあのパンチ連打。
そーゆーシチュエーションを作れるとめっちゃ盛り上がるのよプロレスって。
オレの見ていた時代でそれが見事に起きたのは越中や小林邦明の反選手会同盟⇒平成維新軍の流れの時かな。
最初越中が誠心会館との抗争後のゴタゴタで選手会に反発する形で頭スキンヘッドにして当時の選手会長の「白タイツ時代の蝶野」と戦うことになる。
先に入場した越中は自分の中に溜まっていたあらゆるフラストレーションをマイクアピールでぶつける。
挑発に応じて勢いよくリングに入ってきた蝶野に思いっきり突進して感情が乗りまくったヒップアタックを敢行。
ただのヒップアタックなのに溜めに溜めた感情が乗ったヒップアタックだったから恐ろしいほど会場が湧いたことを今でも鮮明に覚えている。
もうこれで完全に客を“味方”につけた越中はこの試合は蝶野のSTFでレフェリーストップをくらって負けるわけだけど客は完全に越中贔屓状態。
試合後握手を差し伸べた蝶野を思いっきりビンタで返した越中に白タイツ蝶野がキれてコーナーに叩きつけて蹴りまくると客は大ブーイング。
どっちが「正規」軍のメンバーなのかわからない状態だった。
確かこのあと木村健吾がなだれ込んできて蝶野をビンタするんだよな。
そして武藤がキれて木村につっかけたり大荒れになったはず。
ここから半選手会同盟がスタートして後の平成維新軍に繋がるわけ。
それにしても正規軍時代の白タイツの蝶野ってG1だけは輝いたけど客の支持を得られなかったよね。
その2年後にいまや粘着質なアンチだらけの健介とのG1決勝でも、今では信じられない光景だが完全に客は大半が健介を応援していて蝶野が勝ったことで思いっきりガッカリして会場ドッチラケになった。
その後すぐ蝶野はベビーフェイスとしては限界を感じてヒール転向してしまったほどあの時の観客の反応はショックだったんだろう。
結果的に蝶野はヒールでこそ光るレスラーだったしこの転向は大成功だったわけだけど。
ヒゲ面もあってベビーフェイスではムリがあったんだろうね。
ただキャラソンじゃないけど入場テーマ曲はオレは「CRASH」より白タイツ時代の「FANTASTIC CITY」の方が好きよ。
あと小林邦明か。
これも誠心会館との抗争後に体調不良か何かで長期欠場していてその後半選手会同盟側についた。
これでジャパンプロレス時代からの先輩後輩の間柄である後輩の馳浩が噛みつくというアングル。
やたらと小林を呼び捨てで挑発する馳に対し、まだ試合に出られる状態じゃないのか堪えていた小林。
しかしやたらと煽りまくる馳せに対し、ついにTシャツを脱いでリングに上がって6人タッグが8人タッグ(馳側はリングサイドにいた木戸修が急遽入ることに)に変更する。
そして怒りを爆発させた小林が馳に思いっきりドロップキックをぶちかます。
単なるドロップキックなのに恐ろしく会場が湧いたわけ。
だから感情を乗せた攻撃ってめちゃくちゃ客が湧くのよ。
テリーファンクしかり、越中しかり、小林邦明しかり。
また蝶野といい馳といいプロレス界で一番「受け」が上手いレスラーだったのも客の盛り上がりをさらにUPさせた要因でもある。
この2人は受けたら豪快にバターンと倒れるから攻撃した側の技がめちゃくちゃ映えるのよ。
よく藤波が「受けの天才」とか言われてるけど藤波って相手を引き立てるような倒れ方はしないし、単に攻撃のバリエーションが少ないから必然的に攻撃を受ける時間帯が長くなってるだけという見方もできる。
オレは藤波より蝶野とか馳の方が受けの「天才」だと思うけどね。
それにしても平成維新軍って最後はカブキやら小原やらアキトシやら後藤やら果ては天龍まで次々加入して膨張しすぎて尻すぼみだったけど、「反選手会同盟」の頃はすごく輝いていたよね。
WARとの抗争でも越中や木村が光ってたし。
その前の誠心会館との抗争とかくすぶってた越中や小林、そして木村など見事に輝かせた「再生工場」といった感があった。
本当に素晴らしかったよ。
あれ考えたの長州らしいけどすげぇ発想力だと思う。
長州力というより「発想力」だな。
しかしまぁ話がめっちゃ逸れたがジェロニモはテリーの想いも背負って闘うってことらしい。
ジェロニモのパンチなんて効くのかどうかわからないが。
さらにジェロニモはモンゴリアンチョップ。
これには頭をかかえて悶絶するエクスキューソナー。
しかしすぐさまジェロニモの小さな身体を軽々持ち上げてジャイアントバックブリーカー。
身長4mくらいありそうだしまさに「ジャイアント」だもんなこいつは。
ジェロニモは「ウギャァ」とウォーズマンばりの悲鳴を挙げて吐血。
それを見てキン肉マンは何をトチくるったのか「ジェロニモ逃げろー!」と叫ぶ。
逃げたら超人全滅だぞ?
わかってんのか?
絶対に逃げられないし負けられない闘いと承知の上でジェロニモも参戦してるのに。
もうめちゃくちゃだ。
でもそれがキン肉マンの優しさなんだろう。
王位争奪編でもミートが負ければもう終わりなのにギブアップするよう進言したり、ロビンがマリポーサに完全にヤられて戦意喪失していた時もこの試合を落としてもいいと言うくらいだし。
自分はどうなってもいいから仲間の命が大事というキン肉マンだから皆の人望を集められるんだろう。
だが今回は負けたらどっちみち仲間も終わりなんだけど。
負けなくても内容が悪ければやっぱり終わりなんだけど。
やっぱ「逃げろ」とか言ってしまうのはどうかと思うけど。
しかしジェロニモは膝をエクスキューソナーの横っ面に叩き込んで「オラは簡単にはくたばらん」と反撃。
エクスは「そのようだな。だがそれだけだ!」とジェロニモのちっちゃな体を片腕で軽々持ち上げてコーナーに叩きつける。
サンシャインが「奴はああ見えてタフだがそれもいつまでも続かん。その前に勝機を見いだせるかどうか・・・」と状況を解説。
ジェロニモも「確かにこのままじゃいつか力尽きる。そうなる前に打開策を」と認める。
体内のカピラリアピースに己の魂を込めたのかプリズマンも光って呼応する。
超人タッグ編のバッファローマンのロングホーンで作った骨みてーなもんか。
ジェロニモは打開策はこれしかないと首元の傷口を手で無理やり閉じる。
そして「たとえこの一撃で喉が潰れても構わない。オラはこの技で勝機を引き寄せる!」と悲壮な決意を示しアパッチのおたけびを敢行。
「この一声にすべてを賭ける!」という煽り見出しがカッコよく今回は終わり。
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各キャラクターのキャラソンや「プロレスが盛り上がる瞬間」についてめっちゃ長々と無駄に暑苦しく語りまくって疲れたからあとがきは特になし。
とにかくアパッチのおたけびしか大技がないのがしんどそうだなと。
レインボーシャワーが混じったアパッチのおたけびになるのかなと。
キン肉マン 週プレ最新作 第360話 「火事場のいなり寿司!!」の巻 感想(ストーリーあらすじネタバレ含む)レビューは以上。
次回は10月18日発売です。