キン肉マン 43話 悪魔のショータイム!!の巻 感想

キン肉マン最新作第43話「悪魔のショータイム!!の巻」の感想(あらすじネタバレ含む)です
ついに登場スプリングマン
「完幻」・グリムリパーに颯爽と襲い掛かります
「完璧なる幻」が売りのグリムリパー
デビルトムボーイでバラバラにされても「それは幻だった」的なオチが大いに予想されます
「ケケケー待たせたなー」と飛び掛るスプリングマンに対し、
「長らく待たせるから逃げたのかと思いましたよ」と読者の気持ちを代弁(?)するグリムリパー
さっそく、ジェロニモを切り裂いた八つ裂きハットでスプリングマンの鋼鉄の足を切り裂いちまいます
そして空中でスプリングマンを捉えてデッドリードライブでコーナーの鉄柱に激突させようとします
細腕なのに力もありそうなグリムリパー
しかしスプリングマンは体の空洞部分を鉄柱に差しこみ脳天に鉄柱を激突するのを阻止します
そしてその鉄柱を強烈に締め付けて粉々に砕いちまいます
「螺旋壊体搾り」と新たに生々しい(痛々しい)名称が伏せられたデビルトムボーイ
当然ように背後には7年前のウルフマンバラバラ殺人の画が描かれています
砕け散る鉄柱の破片をガードするグリムリバーに襲い掛かるスプリングマン
「前からか」と中井先生の画にしては珍しいクールな描写のグリムリパー
そもそも敬語を使う敵自体キン肉マンでは初めてですよね
まー敬語使ってたって相手に敬意を持ってるわけでなくしっかり「下等超人」と見下してますが
無駄に言葉遣いが丁寧な奴ほど実は裏表が激しく性格悪いというのは人間でも良くあること
スプリングマンはグリムリパーの背後にバウンドして顔面にドロップキックをブチかまします
バネの弾力を活かしたドロップキックでグリムリバーはダウン
バッファローマンは「いいぜ~。音だけで完璧超人どもを痛めつけてるのがわかる」と嬉しそう
「ども」って誰?
そして不自然なほどやられまくりのターボメンもなんとなく気になる
もしかして密かに「吸収」始めてる?
するとお次はブラックホールが登場
相手はジャック・チー
この組み合わせもスプリングマンほどではないけどちょっと意外
「負け役」っぽいジャック・チーに2連勝は考えにくいブラックホールを当てるとは
でもポーラマンの相手は確かにウォーズマンの方が試合的に盛り上がりそうなのも事実
ジャック・チーは一人称がなんと「我輩」
明治時代の浪漫を感じる浪漫主義超人という趣です
そして「我輩が下等超人なら忍び足で近寄って奇襲かますのにバカだな」的にブラックホールをコケに
奇襲大好き完璧超人らしい発想です
完璧超人どもは相手を「下等」と見下すくせに奇襲するほど「必死」なのはなぜ?
さっそく入り口めがけてジェロニモを全身火傷させた「ボイリング・ショット」発射
熱湯の波動砲みたいなもんだよね
単純明快
しかも両足裏からはスチーム蒸気をジェット噴射させて宙も浮けるジャック
水も出せるしお湯も出せるし何気に便利な肉体ね
いきなり熱湯コマーシャル状態のブラックホールにキン肉マンがすごく心配そう
ダルメシマンと2連戦は無理だと語るキン肉マン
ただそれ言ったらターボメンやクラッシュマンだって連戦だから寧ろ完璧側の方が連戦選手多いんだけどね
ターボメンがバッファローマンに一方的にやられてるのも連戦だから?
でもやっぱりあれは「吸収」を密かに開始しているような気もする
しかもキン肉マンはブラックホールの代わりに戦うとまで言い出して駆け出そうとする
悪魔の為にそこまでするのか?
もうバッファローマンはもちろん、ブラックホールもスプリングマンも「友達」と思ってるんだろうね
だがここで顔が青くなってフラついてしまうキン肉マン
前回の更新でキン肉マンやテリーマンは試合を見てると体力やダメージが回復するのかと指摘したが、
やっぱり依然として戦える体ではないようで
そりゃそうだよね
だったら病院で寝てるかカプセル入ってた方が回復早いから後々役立つんじゃないの?
それにしても一番カプセルに入らなきゃいけないほど戦ってきたキン肉マンが入らなかった
そしてテリーマンは試合間隔で序盤まともに戦えなかったがブロッケンやラーメンマンは大丈夫だった
この辺り結構個人差がありますねぇ
試合に話を戻す
熱湯から発生する湯気を見て火傷で全身が焼け爛れているのがわかるとジャック
想像するとおぞましい光景
しかしブラックホールは影に潜り込める超人
今回はボイリングショットの影に潜り込んでいました!!
それじゃ一体ボイリング・ショットは何に命中していたの?
明らかに何かに当たっていた描写だったけど・・・
壁?
そしてすかさずジャックの体を捉えて垂直落下式フロントスープレックスで脳天をキャンパスに突き刺します
バッファローマンは「これで“あのお方”もお喜びだろうぜ」とノリノリアゲアゲ
だから「あのお方」って誰よ?
ストレートに将軍なのか?
だったらなぜ隠す?
つーか将軍自体もう随分前に1回ちょこっと出ただけで忘れられ始めてる存在だが・・・
さらに言えば人間にさせられた便器とかカレクックとか完全に忘れてるだろもう
そもそもその「人間化」主である武道自体谷底落っこちてそれさえも随分昔の事のように思える・・・
懐かしい・・・なにもかも・・・
それが・・・たまらない・・・
ジャックはブラックホールめがけて再度ボイリング・ショットを発射
ブラックホールは空中で「グローリーホール」で顔面の穴を拡大し、
ボイリング・ショットの激流を支柱にするかのように回転しながらジャックにボディープレス
これは結構効いたよう
そして再度垂直落下式フロントスープレックスを狙います
しかしジャックは一瞬ニヤッとして「下等超人はすぐ調子に乗るな」とまるでワザと攻撃を受けていたかのような発言
そして両腕の蛇口から水流を発射してその反動を利用して逆にブラックホールにリバース・垂直落下式フロントスープレックスを見舞って脳天をキャンパスに突き刺します
いかにも連戦の疲労も含めたようなダウンをするブラックホール
ジャックはブラックホールの頭部を踏みにじりながら「どうした。悪魔のショータイムの時間じゃなかったのか?」と余裕の表情で皮肉たっぷり
今回はここで終わりです
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次回予告の見出しは「次回、窮地に追いやられたブラックホールの“秘策”とは!?」となっている
ジャックがあまりにも余裕かましすぎだしさすがにB・Hの反撃ターンとなりそう
ただ、いくらイロモノ系超人と言ってもジャック・チーまでブラックホールに負けるだろうか
そんなことになったら「完璧」という名の沽券に関わるだろう
綺麗に自殺さえすれば良いというネメシス的な理屈じゃ苦しい
そもそも完璧側は既に2連敗している状況
おそらく次はこの3F(第3ステップ)の試合だろう
やっぱりゆでたまご先生は1Fから順々に試合キメていきたい考えなのね
五重の塔リングと同じだな
順番を狂わせても面白いと思うけどね
まーこれら要素をいろいろ考えてもブラックホールの勝利の確立は低いだろう
完璧側が3連敗もしたらさすがに作品事態の緊迫感もなくなるし
まして2戦目のBH相手に初戦のジャックが負けるとかね
イロモノだろうがなんだろうがジャック勝たせないと今後の展開が苦しくなるのでは
おそらくジャックとグリムで連勝させて対戦成績をタイに持ちこむ流れになりそう
ブラックホールが連戦で不利と言ってもクラッシュマンやターボメンも連戦だった
だからブラックホールばかり「連戦不利」を強調させるのもフェアじゃない
ダルメシに食いちぎられた傷跡が残ってるから余計目立ちやすいけどね
それにしても完璧側が武道くらいしか現時点で大して強そうでない事と、
アイドル超人が順調すぎるほど勝ち進んでいる事で、
ちょっと作品に緊迫感がなくなってきているのも事実
ここから先はちょっとダークな話
不快感を感じる可能性も高いんで無理に読まない方が良いかも
あくまで個人的な意見だから・・・
人気キャラクターを死なせるのは作者としては勇気のいる決断だろうが、
アイドル超人達が「全員安泰」なシリーズは人気もイマイチになりやすい
やっぱりメインキャラの死は作品に大きな「引力」をもたらす
アイドル超人達の試合より悪魔超人の試合の方がワクワクして見れるのはなぜか?
それは悪魔超人達は敗北=死の可能性が極めて高いからだ
文字通り「命懸け」の死闘
アイドル超人達はブロッケンJr.がアイアンクラッシュをモロにくらっても生きていたように、
「負けても死なない」という雰囲気が戦いから緊迫感を削いでしまっている
キン肉マンという作品全体を見渡して、人気のピークは言うまでもなく7人の悪魔超人編だった
だからこそ、今回の悪魔超人復活もあったわけだろうし
あのシリーズはそれまでは超人オリンピックなどで敵対する事も多かった相手と「正義(アイドル)超人」という概念で結びつき、悪魔達と闘うという団体戦の要素が出たことが爆発的人気に繋がった
それまでのキン肉マン個人の戦いから、正義超人全体の戦いに話が移ったからである
それと同時に「仲間の死」が次々と描かれた
バラバラに惨殺されたウルフマン
池底の岩場に後頭部を強烈に叩きつけられ死亡したロビンマスク
強力な遠心力によりマットに頭から叩きつけられメリ込んで命を落としたウォーズマン
これら「仲間の死」による衝撃や悪魔超人の強さに対する恐怖
そしてお気に入りの超人が殺された悔しさ
その仇をキン肉マンや強力な助っ人のモンゴルマンが取ってくれるカタルシスなど様々な要素があった
逆にメインキャラの死がほとんどなかった悪魔騎士編は人気面で陰りを見せる
続く超人タッグ編の方が人気が盛り上がったが、
超人タッグ編もウォーズマン・ウルフマン・バッファローマンの死が描かれ、
ロビンマスクやモンゴルマンも正体を暴かれKOされた
絶望的な強さのヘル・ミッショネルズに立ち向かうキン肉マンとテリーマンに痺れた
そして王位編もザ・ニンジャ、ブロッケンJr.、アシュラマン、バッファローマンとキン肉アタル側についた正義超人は全員命を落とし、キン肉アタル、ロビンマスク、ネプチューンマン、ジェロニモはこの世から存在を消滅させられ、ウォーズマンはリングに上がることなくKOされてしまった
過去のシリーズを見ても仲間の死や敗北は物語を盛り上げる
このステージでもロビンマスクやウォーズマンは厳しい相手に当たったことで敗北濃厚だろう
しかし敗北しても次のステージで戦える程度のダメージではやっぱり緊迫感が出ない
ここでロビンマスクやウォーズマンを殺してしまえば緊迫感は当然発生する
しかしロビンマスクやウォーズマンはおそらく今でも人気投票をやれば1,2フィニッシュを飾るだろう
それだけの人気超人を殺させてしまうのはものすごく勇気のいることだし読者の反発も強いだろう
かと言って負けても体は無事でアイドル超人全員生き残りでは緊迫感がない
「死んでしまうかもしれない」というピリピリとした緊張感の中での闘いがないからである
キン肉マンⅡ世の時からそうだったが、正義超人側が不自然なほど生き残りすぎるし、
死んでも生き返るのも早すぎる気がする
悪趣味な考えなのは十分承知だが、
作品に緊迫感を持たせるにはやっぱりメインキャラを殺す事も大事なんじゃないだろうか
あなただってアイドル超人の試合より悪魔超人の試合の方が見てて面白いと思ったのでは?
それは悪魔側は「負けたらまず死ぬ(相手に殺される)だろう」という前提があるから
アイドル超人だったら負けてもなんだかんだで生き残ると思っているから緊迫感が出ない
仮に死んでもすぐに復活するし
人気超人を死なせるのは本当に難しい判断だが、そろそろ「激薬」も必要なんじゃないかと思えてきた
まー、アイドル超人を殺させられない代わりに7人の悪魔超人達をガンガン死なせてはいるわけだけど
やっぱり悪魔は悪魔
アイドル超人の死ほどの衝撃はないんですよね
アイドル超人が殺されるほどの強い相手をキン肉マンが倒すという展開がやっぱり「王道」じゃないかなぁ
そんなことを考えながら今回は読んでいました
更新もまた「締め切りギリギリ」になっちまったんでなんとなく・・・ね
オレは今は特別に思い入れのある超人がいないからこんな客観的な事言えるけど、
贔屓の超人があったらやっぱりその超人に死なれたらショックだし冷めるのもわかる
だからこれはめっちゃ難しい問題だとは思う
でもやっぱりこの新作やⅡ世などは見てて「ぬるい」と思うのは事実
特にⅡ世の究極の超人タッグで時間コンビがアドレナリンズを殺さなかったのは不自然にさえ映った
正義超人の殲滅・根絶やしを狙ってる奴らがなぜトドメを刺さないのかと
多分ジャンプ連載時だったら少なくともキッドかロビンのどっちかは殺されてた気がする
あとイクス・パンションズに顔の皮を剥がされた超人達も結局全員生きていたのもなんだか萎えた
やっぱりメインキャラが死なないと「リベンジ感」も盛り上がらないし緊迫感が出ない
キャラクターに「死んで欲しい」と願うのも変な話だけど
でもやっぱりぬるい
ぬるすぎる
各キャラクターに全く恨みはないが・・・
今回はそんな悪趣味な意見も沸いてきちまったんでこの辺で
これもキン肉マンを愛するからこその一意見として・・・ね
以上、キン肉マン最新作第43話「悪魔のショータイム!!の巻」の感想(あらすじネタバレ含む)でした
次回は11月12日発売です

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